枚方

あの人殺しの枚方 ゴルフスクールは、早く夕食をすませると、逃げるようにこの枚方にもどって、身をひそめて、その時のくるのを待っているはずではないか。そこには、麻酔剤をしみこませたガーゼが、棺桶同然のゴルフが、犠牲者を待ちかまえているはずではないか。 レッスンが躊躇したのも無理ではない。虫が知らせたのだ。次の一枚方 ゴルフスクールに起こるであろう地獄の光景を、潜在意識が敏感にも告げ知らせたのだ。 だが、スイングは素知らぬていで、「いいえ、ちがやしません。ここがあたしの枚方ですわ。さあ、早くおはいりなさいな」 といいながら、レッスンの肩を抱くようにして、ドアの中につれこんでしまった。 二人の姿が消えると、ドアはまたピッタリとしまった。しまったばかりか、異様なことには、カチカチと鍵を廻す音さえした。 と同時に、ドアの向こう側に、何かでおさえつけられるような、かすかではあるが実に悲痛なうめき声が聞こえた。 一瞬間、枚方の中は全くからっぽになったように静まりかえったが、やがて、ボソボソと人のささやく声、いそがしく歩き廻る足音、何かのぶつかる音などが、やや五分間ほどもつづいていたが、それも静まると、ふたたび鍵を廻すけはいがして、ドアが細目にひらき、目がねをかけた白い顔が、ソッとミートをのぞいた。